TENEX超音波吸引治療
(テネックス)

TENEX超音波吸引治療Percutaneous ultrasonic tenotomy

TENEXとは?

【画像】TENEX

TENEX(テネックス)は、超音波振動で変性した腱の組織を乳化・吸引して取り除く治療法です。腱炎やアキレス腱付着炎、石灰沈着性の腱板炎などの難治性の腱の障害に効果的で、従来の外科手術と比較して回復が早く、日常生活への復帰も早くなります。アメリカで開発された最新の医療技術で、特にスポーツ選手や慢性的な腱の痛みに悩む方々に広く使用されています。

TENEXの仕組み

TENEX治療は、高周波振動エネルギー(超音波)を利用して、痛みの原因となる病変組織を除去します。従来の外科手術ではメスを使用して腱の一部を切除する必要がありましたが、TENEXでは、小さな針のような器具(TENEXプローブ)を使い、皮膚を大きく切開することなく超音波の力で患部を治療します。低侵襲且つ短時間の手術により、従来の外科的手術と比較して、回復時間の短縮、日常生活への早期復帰に寄与します。

TENEXの治療法

TENEXの治療法は次のとおりです。

【画像】TENEXの治療法
  1. 局所麻酔を行う
  2. 超音波エコーガイド下で、変性した組織に超音波の振動刺激を与える
  3. 超音波の振動刺激で変性組織壁に微細なスペースを作り、組織を柔らかくする(乳化)
  4. 柔らかくなった変性組織を吸引して取り除く

TENEX治療は、保険診療で行われ、手術に比べて身体への負担も少なく、健常な組織は傷つけないため再生を促します。治療に伴う痛み・腫脹・発赤・熱感などの症状には、抗生剤・痛み止めの内服を行います。術後1週で創部の確認を行い、問題がなければ適宜リハビリを開始します。スポーツ復帰は術後の経過を見ながら4〜6週以降から可能となります。

TENEXが対象とする症状

TENEXは、次のような腱や筋膜の慢性痛に対して効果が期待できます。

  • テニス肘(外側上顆炎)
  • ゴルフ肘(内側上顆炎)
  • 足底筋膜炎(足裏の痛み)
  • アキレス腱炎(かかとの痛み)
  • 石灰沈着性腱板炎(肩の痛み)
  • 膝蓋腱炎(膝の痛み)
【画像】TENEXが対象とする症状

TENEXのメリット

  • 小切開のため、手術跡がほとんど残りません。
  • 短時間で施術が完了し、日常生活への復帰が早いです。
  • 痛みの原因を取り除くため、長期的な効果が期待できます。
  • スポーツ選手やアスリートが多く利用しており、プロスポーツ界でも信頼されています。

TENEXのデメリット・注意点

  • すべての症状に適用できるわけではない
    炎症が強い場合や、腱が完全に断裂している場合には適用できません。
  • 再発のリスク
    根本的な生活習慣(姿勢、運動の仕方)を改善しなければ、再発のリスクがあります。

治療成績の概要

疼痛の軽減と機能改善

TENEX治療は、腱障害の痛みを軽減し、機能を改善する効果が示されています。術前に圧痛や画像所見から変性部位を明確にし、その部位を乳化・吸引することが重要とされています。

リハビリテーションの重要性

TENEX治療後にリハビリテーションを実施することで、治療成績が60%向上したとの報告があります。そのため、術後のリハビリは治療効果を高める上で重要とされています。

高い改善度

アメリカでの10年以上の使用実績では、約85%の患者が痛みの改善を報告しています。

TENEXが向いている人

  • スポーツ選手(早期の競技復帰を目指す方)
  • 仕事を休めないビジネスパーソン(休みが取れない方)
  • メスを使う手術に抵抗がある方(低侵襲の治療を求める方)

まとめ

TENEXは、腱の痛みを取り除くための「切らない手術」といえる低侵襲の最新技術です。手術に比べてリスクが低く、施術時間も短いため、スポーツ選手や忙しいビジネスパーソンにもおすすめの治療法です。「短時間の施術」「早期の社会復帰」「痛みの軽減」を求める方にとって、TENEXは理想的な治療選択肢です。